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APCかわら版


2015121日、全面更新した構造プレカットラインが稼働した。

本年20162月には、羽柄加工機を1機増設する。

機械の更新は10年来の最大の課題であった。製材業からプレカット加工業に転業し、19978月に導入したナカジマFA707は当時最高の生産効率を誇り、立ち上がって5年後の20027月にはワンラインでの日本記録と言われていた月産4,550坪を達成した。いまの物件の加工箇所数が当時と比べて格段に増加していることを考慮してもすごい数字であったと思う。201511月半ばまで18年間休むことなく働き続けてくれた。重要な電装品は新品に入れ換えてはいたが、すでに生産中止になっている多くの部品は中古品に頼るしかなく不安な状況が続いていた。新品のプレカットラインを買うためには、電気工事・集塵機や様々な付帯工事を含めると4億円が必要で、思い切った投資になかなか踏み切れないでいた。3年前から全国的にプレカットラインの増設・更新が増加した。これらを紹介した新聞記事で国の助成があることを知った。半分国が応援してくれれば、それでも高額な金額ではあるがなんとか償却していけると思い、助成金の研究を始めた。まず林野庁の加速化補助金は魅力的ではあったが国産材使用比率が義務付けられていて、深く研究・検討はしたが当社の体質にはなじまず申請を断念した。次に経産省に高額な補助金があることを知ったが、申請者の資格は木材業界だけではなく全業種であり、かつ中小企業だけではなく大企業とも競争していかねばならないことで無理かなとも思った、東北のプレカット工場が認可を受けたことを知り勇気百倍挑戦することにした。東北のプレカット業者の協力・応援や、これまで培ってきたすべての人脈を生かし謙虚に様々な助言を聞き、難解な課題をひとつひとつ解き明かしながら実力を超えた申請書を書き上げた。そして2015612日に、交付決定通知書を受け取った。その時同じ事務所にいた社員数人は雄叫びを聞いたそうである。叫んだ本人は記憶にありません。その日からの5ケ月間は無我夢中、121日に試運転できた時は感無量であった。古い機械を唯一の武器に闘っていくために従業員のみなさんには随分無理をしてもらった。これでせめて日曜日くらいは休んでもらえると思う。社長が本当に約束を守るか従業員の厳しい視線を感じているが、守りたいと思う。今日は日曜日だ。羽柄加工機の能力が、更新した構造プレカットラインとバランスがとれず2月にはもう1機増設するからそれまで辛抱してくれと頼み込んで今日仕事してくれている。申し訳ないと思う。そして2月に構造と羽柄のバランスが取れたあと、合板加工機が能力不足になることは分かっている。どうしたものか。CADのメンバ−は経験を積み実力も上がっているので心配はしていない。木出し(木拾い)・輸送・事務・倉庫など人的物的両面で各所バランスがくずれるが工夫し全体として実力を上げていかなければならない。

人は夢を持たなければならないと誰もが言う。夢を実現して初めて夢を持ってよかったと言えるのではないか。実現しない夢はなんの値打ちもない。古稀を超えたプレカット工場の社長は、ピカピカの工場を掃除しながらそう思うのである。

 

2015年12月28日
社長

 

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