表の通り、一昨年2005年の休止日数26日に対して、昨年の2006年は17日で9日加工日を増やしました。その結果
加工坪数も959坪増えました。しかし目標の355日は達成できませんでした。
一年の中で住宅着工の本番である3月から11月までの9ヶ月間は、5日しか休んでおらず、工夫と努力次第で十分
達成のチャンスがあると考え、年間加工日数355日をもう一度本年度の生産部門と全社の目標とします。
昨年の木造住宅用資材関係の大きなニュースは、合板の極端な品不足問題でした。野地板に使われる12MM、床
材に使われる24MM、28MMの構造用合板は年初比70%も値上がりした上、注文しても入荷しない状況が9ヶ月も続
き、今もまだ解消されていません。この原因は供給側の事情もありますが、それよりも需要が大幅に増えたことによ
ると言われています。最近の木造住宅はいわゆる剛床工法が多く、APCでは合板加工については、CAD入力は当
社で、機械加工は外注という方式を取っていますが、せっかくのビジネスチャンスを逃しているわけで、本年度は、
原料である構造用合板の安定的な仕入れが確実になるという状況を確認してから、合板加工機を新設します。
設置場所は、築港の本社工場かAPCか検討中です。合板関係は木材の範疇ではなく、建材分野で畑違いと言わ
れていましたが、今は床や屋根に使われる構造用合板は、プレカット構造材の一部となりました。今年は、積極的
な販売促進をしますので、CADオペレーター諸君には構造プレカットと一体のものと考え、床パネル・野地パネルの
入力をお願いします。
現場のオペレーターも昨年は3人の新人を迎えることができました。多く先輩諸君が、横架材も柱材・束材の加工
技術を持っています。どこに配置されても戦力になるよう努力してください。先輩諸君も本年度は、さらに羽柄、床パ
ネルの加工技術習得に挑戦してください。プレカット工場を日本語訳すると、『大型大工』です。古代に大陸から伝
来し日本で確立された在来軸組工法は、大工の技術継承により続いてきました。CADCAM方式のプレカット加工は
、わずか30年くらい前に開発されたもので1500年の伝統の中のほんの一部なのです。大型大工は先人の技術を継
承しなければなりません。つまり、プレカット工場の現場オペレーターは工場のどの部門に配置されても機械加工で
きる技術を習得しなければなりません。大工はなんでもできなければなりません。APCではその方針を取っていま
す。
CAD部門では、大きなビジネスチャンスがあります。構造計算です。現行の法律では、在来工法2階建は構造計算
の必要がありません。しかし法律を改正して構造計算を義務付ける動きがあります。木造住宅建築で重要な梁組
のデータを持っているのは、プレカットCADですから、構造計算を実行する最も適任者といえます。構造計算書を役
所に提出するためには、建築士事務所の看板を上げなければなりません。当社のCADオペレーターには何人かの
建築士や建築士を目指している諸君がいます。状況を的確に判断して構造計算を商売に持って行きたいと考えて
います。
ミスによるクレームはどのプレカット工場も頭を悩ませています。食品関係や医療関係ではミスは人の命にかかわ
る問題です。スペースシャトルはひとつの部品の不具合が、一瞬で、人命を奪い、多額の税金を無駄にします。製
造業である限り、商品を作っている限り、ミスのない完璧な製品を供給することが当然ではあります。しかしながら、
APCとしては、単純なミスの繰り返しは認められませんが、ある程度の間違いは仕方のないことだと考えています。
完璧な製品を作り上げるためには、多人数によるチェックと時間が必要ですが、残念ながらプレカット加工の場合
は十分な時間が与えられていません。間違ってもいいと言っているわけではありませんが、先方の勘違いや指示不
足による間違いは、現場で不具合を直せばいいのですから、あまり気にしなくてもいいです。もちろんミスの発生は
、金額クレームとなりますから会社の業績に直接影響します。APCの基本方針は、『早く!正確に!』です。プレカッ
ト工場で俊敏な動きが出来なければ存在価値はありません。急いで仕事をしても集中して仕事をすれば、ゆっくり
慎重に仕事を進めるのと同じ結果が出ます。
『 SPEED & SURE 』は早くすることにより顧客満足を与えることが出来ると共に、より集中して仕事をして欲しい
との願いなのです。