会社の概要 事業内容 採用情報 連絡 地域情報リンクへ

APCかわら版

年頭の辞

あけましておめでとうございます。

     昨年(2007年)は、残念ながら、たいへん成績の悪い年でした。4部門すべての品質目標は達成することが
できませんでした。 理由のすべては言い訳に過ぎませんが、昨年後半の住宅業界の状況をみんなに知って
    もらうために、伝えます。

     昨年の新設住宅着工数は、105万戸前後で、前年(129万戸)比20%近く減少しました。月別に見ると、7月
は、前年比23%減、8月は、43%減、9月は、44%減、10月も、35%減でした。この4ヶ月の減少は、国民総生
産を0.6%引き下げ、3兆円ものお金が消えてしまったと言われます。なぜこんなひどいことになったのか、きっ
かけは改正建築基準法が6月に施行されたことによります。建築基準法が改正されたのは、姉歯構造計算書
偽装事件が起こったからです。国民が人生で一番高い買い物をした住宅に偽装が発見されたために、財産
価値を無くしたり、損害を請求しようにも販売会社がなくなってしまっていたり、結局泣き寝入りになってしまい
ました。これではいけないということで、政治家と役人は異例の速さで法律改正に着手し、国会にて全党一致
で可決されました。国民もこれを支持しました。しかし、法律だけが先行して、確認申請作業を行う役所や民
間の業者がどこが変わったのか具体的に正しく理解していなかったので、大混乱が起きたのです。申請して
も受け付けてくれない、受け付けてくれても許可が下りてこない、などの状態が7月から始まったのです。建築
     基準法では、建物の種類を4つに分けています。我々が通常受注している2階建ての木造住宅は、4号建築
物の中に入ります。4号建築物については、今回の法改正には直接関係無かったのですが、マンションやホ
テルの偽装問題のとばっちりを受けたことになります。新設住宅着工数について、もう少し大きく見ることにし
ましょう。昭和62年から平成8年までの10年間は、平均156万戸でした。我が社がプレカット工場を立ち上げた
平成9年から平成18年までの10年間は、年120万戸で安定していました。
前の10年の156万戸から120万戸へ、20%近く需要が落ちたのですが、その間木造住宅建設でプレカットを採
用するところが増えたために、業界全体としては好調な需要に支えられて進んでこれたのです。昨年は、105
万戸でした。昨年を1年目としてこれからの10年は、100戸時代に入ったと予想する人もいます。今年は昨年よ
り多少着工数が増えるだろうが、昨年2007年は、神様がこれからの10年のことを我々に真剣に考えさせるた
めに、試練を与えた年だと言う方もいます。4号建築物については、確認申請時に1〜3号よりも多くの書類は
     出さなくてもいいことになっています。例えば今は伏図は必要図書ではないのです。伏図なしに何を審査する
のかと思ってしまいます。しかしこんな不思議な特例は、遠くても来年2009年6月までになくなると言われてい
ます。つまり、伏図や、構造計算書の一部である壁量計算書やN値計算つまりホールダウン金物の配置図な
どが省略できなくなります。一般の工務店はこのような事態をまだよく分かっていません。プレカット工場では
伏図作成は本職ですから問題ありません。壁量計算やN値計算も基本的な原理原則さえ理解すれば、CAD
     を使って割り出すことができます。確認申請に黒船来る!といわれている中で、我々が果すべき役割は益々
増えるものと信じます。

      住宅着工数が減少するとともに、クレームの質が低下しています。完璧を目指していても、人間ですから間
違いは起こります。上棟日の大工さんは、気が高ぶって異常な心理状態にあります。プレカット工場のあきらか
なミスに対して、鋭く抗議してきます。当然のことです。まず、聞く、反論せずに聞く、そして謝る。どうしたら、事
態を好転させることができるか判断します、不具合箇所を再加工して届けるのか、先方の大工さんに手直しを
依頼するのか、後日こちらから大工を派遣して手直しするのかなどを瞬時に判断し、お互い納得できる一番い
     い方法を選びます。間違いをおこせば、まず加工賃全部が飛んでしまうと考えて下さい。最近は、こちらが手直
ししても、納得できかねる理不尽なクレームが増える傾向にあります。言われっぱなし、殴られっぱなしの状態で
す。あまりにひどいクレームに対しては、法律をもっと勉強して、きちんと対処できるような解決方法を取れるよ
     うな業界組織を作る準備に入っています。
なんにしろ、間違いを起こすと、お金も損するし、相手の気分もこちらの気分も悪くなり取引関係に影響するの
で、ろくなことがありません。プレカット工場の分業体制では、ミスを発見できる機会はたくさんあります。各部門
     とも間違いを工場から出荷させないともう一度強く意識してください。

      昨年は、合板加工機を新設し、羽柄加工機を更新しました。合板のカットは以前から他のプレカット工場に加
工を委託しており、CADはすでに出来上がっている状態でしたので、予想以上に早く立ち上がることができまし
た。これからの課題は、CADオペレーターも現場も携わっている方々が、上棟日に先方大工さんと一緒に屋根
に上がっていると考え、どうしたら安全に早く作業ができるかを常に工夫していただきたいと思います。羽柄加
工機は立ち上がりに苦労しましたが、順調です。あとは、全棟、羽柄・合板付きの受注を取れるかです。

      競争はどの社会でもあること、協調などは口約束だけで守られないことが多いです。しかし強圧的な侵略に
たいしては、果敢に立ち向かわなければなりません。需要が少なくても事業としてやっていける筋肉質な会社
に変えていくために、従業員諸君の奮起と協力を期待します。「自ら顧みてなおくんば千万人とも雖も我行かん」
吉田松陰先生の言葉です。自分で自分をかえりみて正しければ、敵対するものが千万人でも私はやるだろうと
     いう意味です。

    我社の基本理念は【SPEED&SURE】早く正確に!です。もしこの基本理念が忘れられたら、我社は生き延びるこ
     とはできないでしょう。
強力な武器を持った巨大な同業者に囲まれているのです。小規模な組織である我々が勝負できるのは、早く正確
に、機敏に動くことだけです。

    

2008年品質方針
〔SPEED&SURE〕早く正確に!
〔社会貢献〕
仕事を通じ、平和で心豊かな社会が実現されるよう努める。

 

2008年品質目標

生産部門
顧客クレーム年間100件以内
縄張り意識を捨て仕事を探す。

CAD部門
顧客クレーム年間100件以内
技能アップと勉強
営業部門            
構造・羽柄・合板トータル受注



Copyrights(C) 2005 Asama Shokai Co., Ltd.