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APCかわら版

年頭の辞

 あけましておめでとうございます。

 昨年2009年は、業界にとっても、我社にとってもたいへん辛い年でした。
プレカット業界の需要の大半は、新築木造住宅です。我社は在来木造用の設備しか持っていませんから、在来軸組木造住宅がたくさん建築されることがいい状態です。2009年の新設住宅着工数は、1月末の国交省の発表で正確な数字が分かりますが、11月末までの数字から推測すると、790,000戸前後かと思われます。社長の私が朝間商会に入社した前年の昭和48年(1973年)の新設住宅着工数は、1,763,185戸でした。36年間で100万戸の需要が無くなったことになります。また、我社がプレカット工場を立ち上げた13年前、平成9年(1997年)の新設住宅着工数は、1,341,347戸ですから、その数字と比較しても41%減です。
私が木材業界に入った35年前から、日本の住宅着工数は、日本の人口構成や欧米の例から見て、近い将来100万戸を切るだろうと言われ続けてきました。そして昨年が100万戸を割る年になることは、多くの人が予想したことではありました。しかし100万戸を切る数字とは、98万戸とか、せいぜい95万戸かと思っていたのであり、まさか90万戸を飛び越え、80万戸を切ることになるとは誰も予想していなかったことなのです。

 

新設住宅着工数

木造住宅

木造軸組

木造率

平成9年(1997年)

1,341,347

584,872

475,933

43.6%

平成20年(2008年)

1,093,485

516,868

391,221

47.3%

平成21年(2009年)

790,000(予想)

430,000(予想)

325,000(予想)

59.8%

 
少し脇道にそれますが、日本の経済発展と共に、建築物は高層ビルやマンション等、鉄とコンクリートでできたものがいいとされ、年々木造率(木造住宅着工数÷全体の着工数)は下がり続けてきました。昨年は、あまりにも鉄やコンクリートで作った建物の落ち込みがひどかったので、結果的に木造率は、59.8%まで回復したことになりました。
鉄筋・鉄骨・コンクリートの建物よりは、落ち込みが少なかったとはいえ、我社にとって一番重要な木造軸組も、平成9年比マイナス32%、一昨年平成20年比マイナス17%も落ち込んでしまいました。

我社の構造プレカットの生産高は、次の表の通りです。

平成16年(2004年)

46,016坪

平成20年(2008年)

35,114坪

平成21年(2009年)

37,861坪

 
需要が一昨年比17%落ち込むなかで、昨年の我社の生産量は、逆に8%伸ばすことができました。
しかし、13年間で一番生産量の多かった平成16年(2004年)の46,016坪には遠く及びません。目標とは、経験したことのない線まで高めていく到達点のことですが、いったん目標達成へのステップとして、本年は、5年前に経験した数字である【46,016坪】を目指しましょう。
設備も人員もそろってはいても、生産高を伸ばせるだけの仕事を捕まえることができるかが問題なのですが、私は次のように考えています。
プレカット業界は、設備過剰です。全部の工場が一律に生産高を減らしてやっていける環境にはありません。本年は廃業する工場がかなり出てくるでしょう。勝ち組、負け組というより、生き残る組と生き残れない組にはっきり分かれる年になります。もちろん我社は生き残る組です。そのための方法として“連携”を進めていきます。連携とは、近隣の先輩プレカット工場と仕事面でお互い有利な状況を共有しあうことです。具体的には、仕事がないとき、仕事を回してもらう。仕事が溢れたときや機械が故障したとき、加工してもらう。材料の融通を行うなどです。どのプレカット工場でも、仕事がなく工場をあそばせるのは悲しいことですが、それよりも、仕事を受け過ぎたり、機械が故障したり、思っていたより能率が上がらなくて、納期を守れない状況になるときがもっと辛いことなのです。この悩みを工場同士が連携していけば、いくらか軽減できると思っています。もちろん我社の実力から言って、仕事を回してもらう場面のほうが多くなるでしょう。仕事を平準化して生き残る組に入り、本年の目標の【46,016坪】を達成しましょう。

 変則的な生産しかできなかった羽柄・合板加工も昨年後半からようやく軌道に乗ってきました。床合板を上棟現場でカットするとひどい粉塵が起こり、近所からの苦情が絶えません。床パネルの工場生産はもっと需要が増えると確信しています。羽柄加工は、現場での大工仕事のほうが安いため思ったより進んでいないのですが、大手のビルダーが工場での羽柄加工を標準化しているので、構造プレカットとセットでという固定概念は捨てて、羽柄加工だけの仕事もどんどん受けて生産高を上げていこうと考えています。
ようやく工場らしくなってきた羽柄・合板加工ですが、実は困ったことが起こっています。早出、残業をして工場を稼動すると近所から騒音で苦情が出るのです。もともと築港の本社付近は製材団地であり、住宅はあとからできたもので、言い分はあるのですが、夜の生産時の騒音を聞くと住民からの苦情も受け入れざるを得ない状況です。今は加工の時間制限をして対処していますが、羽柄・合板工場を西浜の木材団地に移転することを考えています。一口に移転といっても、たいへん費用がかかる問題なので、できるだけ負担の少ない方法を取りたいので、本年中に第一段階として合板の設備を西浜の構造プレカット工場の中へ移転したいと考えています。

【CADオペレーター諸君へ】
昨年、建築士法改正・ 瑕疵担保責任履行法長期優良住宅普及促進法が施行されて、CADのオペレーター諸君の負担が増えると思っていました。事実、有力なプレカット工場では、設計士や工務店支援のための書類を代行作成して顧客獲得を目指しています。CADの伏図も全棟構造計算付きが多くなっています。そのような面では、残念ながら我社は、大きく出遅れています。しかし負け惜しみになるかもしれませんが、なんと言ってもCADの基本の仕事は、ミスのないプレカット加工部材を作り上げることです。梁組を提案し、先方と意思の疎通が図れる平易な言葉で質問し、速やかに回答を得る。工場の誰もが分かる指示をする。本年は、顧客のためのプレカット伏図や質問事項、社内での加工書類の標準化を図ってください。標準化とは、CADオペレーター諸君が、同じ方法で、同じフォームで、顧客にも、工場へも伝達することです。

【工場の諸君へ】
多くの諸君が、横架材も柱材も束材の加工ができることは、我社の強みです。もともと私の考えは、就業面でも収入面でもできるだけ公平にしたいというのが出発でした。今はCAM配置図にある担当の仕事が切れたとき、積極的に他の仕事をしてくれているのは感謝しています。それから昨年の目標であった“和歌山で3番目にきれいな工場にしよう!”を実行してくれ、かなり工場がきれいになってきました。宮本工業さんの半分くらいのきれいさでしょうか。工場が汚いとどういうことになるのかを説明します。われわれの顧客(材木屋やビルダー)は最終需要家である施主にいつでも工場を見せると約束しています。前触れなしにやってきます。施主がこの工場なら自分の家の建築をまかせられると思ってくれれば、商談成立の可能性が高くなります。つまり家が売れるのです。住宅会社はきれいな工場を協力工場に指名します。つまり汚い工場には仕事は来ないのです。きれいな工場とはどういう工場でしょうか。
きれいな工場とは、“動いている機械の横の地面に座って弁当を食べられる工場である。”以前認証を受けていたISOのときを思い出してください。“直角・平行・水平垂直”すべてのものがこの状態になっていなければならない。すべてのものとは、材料・プレカット製品・機械道具・鉄のスタンション・チップのカン・ゴミ箱・机椅子・書類・フォークリフト・トラック・乗用車などです。大手の住宅会社の担当者はプレカット工場を選定するとき、まずこれを見ます。“直角・平行・水平垂直”になっていて当たり前で、そこから細部を見ていきます。直角・平行・水平垂直になっていなければひと目見てだまって帰ってしまいます。小さなことかもしれませんが、プレカット製品ではないことを識別するために、りん木の木口に赤いスプレーを付けています。羽柄プレカットや未加工羽柄材の要求が多くなって、識別がいっそう重要です。担当はありませんから、気がついた諸君はプレカット製品でないものは、材料以外は赤いスプレーをつけてください。赤いスプレーは、工場の南入口の左の桟にあります。工場や土場の床にゴミが落ちているのはだらしなくて、みっともないことです。見つけたらポケットに入れてください。
全員が“直角・平行・水平垂直”とゴミの拾うことを意識すれば、工場はもっときれいになり、結果としてミスの少ない、顧客から選ばれる、繁盛する工場になると信じています。

2010年品質方針

【SPEED&SURE】早く、正確に!
【社会貢献】仕事を通じて、平和で心豊かな社会が実現できるよう努める。
2010年品質目標

生産部門
46,016坪(構造プレカット)
和歌山市で2番目にきれいな工場にしよう!
技術向上を目指そう!

CAD部門
標準化を達成して、顧客からの信頼を得よう!

営業部門
新規顧客獲得!
連携の強化
2010年1月1日 社長

 

 

 



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