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APCかわら版

年頭の辞

あけましておめでとうございます。

 昨年2011年は、凄まじい年でありました。新年2012年が、平和で、心豊かなくらしができる年であるよう祈るばかりです。

本年は、今後の住宅で爆発的に開花するであろう“スマートハウス”に我々がどう関わって行くかが重要なテーマである年です。

 昨年3月11日発生した関東大震災以前の大方の日本人のエネルギーに対する意識は、予想以上に効果があった住宅エコポイントに見られたとおり“省エネ”に向けられていました。しかし震災以降その意識は大きく変わりました。エネルギーをただ電力会社から買うのではなく、自己責任により、自宅を、エネルギーを作り出す工場(住宅発電所)にし、自給自足できるようにするだけではなく、さらに余った電力を売るようにしたいと考えるようになりました。

ここに登場したのが、以前から国と民間が共同で研究してきた“スマートハウス”です。スマートハウスとは、太陽光発電・燃料電池・蓄電池・HEMS・省エネ家電・電気自動車など創エネ、省エネ、蓄エネなどすべての機能を持った賢い住宅のことです。つまり電気代とさらにガソリン代をも不要にさせる住宅です。
もうひとつスマートハウスほどの機能はありませんが、“ゼロ・エネルギー住宅”というのがあります。太陽光発電と一部HEMSを搭載した住宅で居住時の光熱費がゼロになる住宅のことです。

有力な住宅会社の新商品の多くが、ゼロ・エネルギー住宅仕様を標準仕様にしています。お正月三ケ日のテレビコマーシャルは、大和ハウス、セキスイハウスを筆頭にすさまじいばかりのゼロ・エネルギーPR合戦でした。顧客は予算さえ合えば、つまり値段が安くなれば、高度な機能を持ったスマートハウスを購入し、その結果スマートハウスが一気に普及する可能性があります。HEMSがメーカーによってシステムが違い互換性がないなどまだまだ解決すべき問題が多々ありますが、そのうち強いメーカーが統一するということを歴史が証明しています。

アキュラホームは、光熱費はゼロではなく、年間5万円のプラスであり、もし下回った場合補償すると言い切った販売を開始しました。 

我々はこの急激な変化を、南面におおきな屋根を持った住宅が増えるだけだなどと単純に考えるのではなく、もっと深く関わっていく必要があると思います。住宅は住宅会社だけが作って売るものでした。しかしスマートハウスは、太陽光発電・燃料電池・蓄電池・HEMS・省エネ家電・電気自動車を持った住宅です。ハイテク重電メーカー、家電メーカー、情報処理会社、自動車メーカーなど従来住宅建築には直接関わっていなかった分野の会社がぞくぞく住宅産業に参戦してきます。昨年末には、日本一の売上額を持つ家電量販店“ヤマダ”も参戦しました。住宅建設にはプレカットが絶対必要なものですから、我々の仕事そのものが消えてしまうことはありません。しかし確実に言えるのは、流通が大きく変わることです。流れを見定め、遅れないように自社の進む方向を決めねばなりません。

 次に、本年は、2010年10月1日に施行された公共建築物木材利用促進法による本格的な木材需要増が期待できる年であることです。昨年は200坪以上の大型物件を数多く受注しました。これらは公共建築物ではなく、国・県よりも一歩進んでいる民間の老人ホームが中心でした。本年は公共建築物の仕事が増えてきます。プレカットできる設計になっているかどうかが問題なので、勉強会では、設計段階でモジュールの統一と間崩れ廃止を義務付けるよう役所に訴え続けています。間崩れ物件の手間がどれほどCADオペレーターの仕事を増やしていて、できれば入力したくないと思われている現実を訴えることができるのは、プレカット工場しかありません。意匠設計者は夢のある建築物を設計することが仕事ですが、趣味のように思いつきで間崩れだらけというのは困ります。公共建築物は税金によって建てられるのですから、経済性をもっと重視してもらいたいものです。

また公共建築物ですから入札方式になるのはいたし方ないと思いますが、図面を受取った業者が、当然のようにプレカット工場に、丸投げし、CAD入力と見積を依頼してくるやりかたは続かないと思います。4〜5日もかけて入力した大型物件の受注歩留まりが10%以下なら見積を辞退するほうが会社としてはいいからです。事実大型物件の見積お断りという大型プレカット工場があります。大型物件は構造計算が必須なのですから、設計者に、図面と伏図それに木材の積算書をつけることを義務つけて欲しいと思います。これならCAD入力せずに見積することが可能だし、落札した段階で始めてCAD入力に移ることができます。

 一年間に百万戸も新築住宅が建つ時代は過去のものとなり、本年も80万戸プラス?戸くらいだと思います。朝間プレカットの創業の精神である『早く!正確に!』を大切に、顧客よりいただいた図面を確実に受注し、加工し、出荷できるように、社員諸君の健闘を期待します。

2012年1月1日 社長

 

 

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